東京女子医科大学
RTXの第一印象は?
理論は悪くないというのは判るんですが、見てくれ....。プラスチックなカバーと手作りのホースと。割とプリミティブなプログラムで動いているような。「うんー、これで効果があるのかな?」という印象が一番強いですね。臨床データを見させて頂いて「そこそこ効くんだろうな」というのが、もう一つですね。
僕としては、ずっと呼吸管理で肺損傷をやってきたので、「陽圧換気というのがいかに良くないか」「いかに自発呼吸が良いか」が身に染みて分かっていたので、RTXを、とにかく一回使ってみたい。それが特殊な環境でしか使えないのか、割とイージーに使えるのか、イージーに使える特別な疾患があるのか、難しい状態でも普通だったら効果がないような疾患でもRTXを使うことで通常換気を凌駕する、通常換気をものすごくサポートするような分野があるのか、というのが興味を持ったところですね。
RTXの前(昔の体外式人工呼吸器)のチェストレスピレータや鉄の肺といったものは、ご覧になられたことはありますか?
さすがに知らないですね。鉄の肺モドキのようなものを一度大学の倉庫で見かけましたが。装着するのにすごく大変なものというのは、一般の臨床には向かないんですよ。どんなに理論が良くても。少なくとも私の周りにあった体外式の器械は、使ってみる気にならないぐらい操作が面倒くさそうでした。
RTXを使用するに至った経緯は?
一番興味があったのは高頻度換気・振動です。まだジェットベンチレータがあった頃に、ジェットを呼気側に乗せて、肺に入れるというよりは回路内のガスを全体的に揺らすといった形で使っている時期があって、効果がある患者さんも中にはいたわけですね。救命までは辿りつけなくても。RTXが起こす振動は、HFOほどHigh Frequencyではないですけども、そこそこ揺れるので、勿論興味があった。
留学中に、RTXと違うタイプのベストを使っての実験を手伝ったことがあって、その時にも体外式の振動で、ある種の呼吸不全モデルは改善するんですね。少なくとも急性期は乗り切れると判っていたので、一番最初は振動換気がどれくらい効果があるのか。正直、小児でやっているようなコントロールベンチレーションだとか、あるいは今の通常型の人工呼吸器に併用するとか、自発呼吸に同期させて最初からできるとは思わなかったんです。むしろ振動換気を旨く取り入れることで、今のベンチレータの限界を超えられるかどうかに一番興味があったんです。

