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アンブ社製蘇生バッグ(ユニバーサル/コンパクト型)クラスⅠ自主回収
概要

- 1.対象器(別紙、対象器画像参照)
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製造元 : Ambu A/S(アンブ社 デンマーク) 商品名 : 「ユニバーサル型人工蘇生器」・「コンパクト型人工蘇生器」
※「アンブ救急セット」の付属品である「ユニバーサル型人工蘇生器」
※「災害救急用器具セット(アンブ災害セット)」の付属品である「コンパクト型人工蘇生器」
出荷時期 : 1970年11月~1997年12月(前代理店 (株)松本医科器械 販売分) - 2. 不具合内容
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高濃度酸素付加時、当該製品の仕様(8L/分)を超えた高流量酸素を流した状態で換気操作を行った際、呼気弁が閉塞され、呼気が抜けず患者様の気道内圧が上昇します。
- 3. 回収方法
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弊社社員より納入先医療機関に訪問・説明を行い、現物確認ができた場合のみ当該製品を回収させていただき廃棄致します。
お客様にはご迷惑をお掛け致しますが、下記の通り回収を実施させて戴きたいと存じます。誠に勝手ではございますが、何卒、ご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
お問い合わせは各事業所までお願い申し上げます。
医療機関以外は日本船舶薬品株式会社(TEL:045-622-1313)へお問い合わせください。
回収の経緯
本自主回収につきましては、いわゆる製品不良に起因する回収ではないため、特に、現在も当該品を安全にご使用いただいている医療機関の皆様には、ご不便をお掛けしております。以下に本回収の経緯について簡単にご説明申し上げます。
前代理店((株)松本医科器械)が1970年11月から1997年12月までに販売した人工蘇生器(ユニバーサル型、コンパクト型)は、販売開始から30年以上にわたり心肺蘇生時に使用されてまいりましたが、その間、心肺蘇生時における人工蘇生器の使用方法が変わり、現在では心肺蘇生時に高流量酸素の付加が推奨されるようになっております。
しかし、当該製品の酸素付加流量は最大8L/分であり、現在推奨されている換気方法に適しておりません。
この新しい換気方法の普及に伴い、当該製品において8L/分を超える高流量酸素を流した状態で換気操作を行った際、呼気弁が閉塞され、呼気が抜けず患者様の気道内圧が上昇するとの報告があり、これまで医療機関に対して酸素付加流量および換気操作方法等について、情報提供により注意喚起を行ってまいりました。
しかし、残念ながら医療現場での十分な徹底に至っておらず、今般医療現場の安全確保について、厚生労働省、独)医薬品医療機器総合機構と検討、協議を重ねてまいりました。
その結果、情報提供による注意喚起では、本事象の再発の可能性が否めないと判断し、当該製品を自主回収することにより医療現場の安全確保を行うことに致しました。 尚、当該製品の取り扱い方法に則り正しく使用・操作した場合において、異常が発生することはありません。
また、本回収については厚生労働省より行政通知が発出されております。
(医政総発第0914001号/薬食安発第0914001号)
当該の判別

- 本回収の対象品
- 写真の場所に、「MRK.Ⅱ」と表記されているもの
- 非対象品
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同じ箇所に「MRK.Ⅲ」(マークⅢの意)と表記されているもの、及び新生児用バッグ、シングルペーシェントユース、シリコンタイプなど、上記以外のアンブ社製バッグは、本回収の対象ではございません。
現在販売している蘇生バッグは、ガイドライン等で推奨されている換気方法に対応しております。それぞれの取扱説明書、添付文書に従ってご使用ください。
発生のメカニズム
当該製品(ユニバーサル型・コンパクト型蘇生バッグ)において、その酸素付加仕様上限である8L/分を超えた高流量酸素を流した状態で換気操作を行った際、呼気弁が閉塞されます。
弁の動作など、発生のメカニズムをスライドでご覧ください。
①バッグを圧迫するとバッグ内に陽圧の(+)が生じ、空気インプレットバルブ(c)が閉じる。
②インレットシャッター(b)はアウトレットシャッター(a)方向へ移動することで、大気開放口を塞ぎ、インレットシャッターの弁を開くことで患者への流路を確保する。
以上の動作によって、患者側にガスが流れる。
①バッグの圧迫を解除するとバッグは復元力で元に戻ろうとする。このときバッグ内に陰圧(-)が生じるため、インレットシャッター(b)がバッグ側に戻り、インレットシャッターの弁が閉じる。
②同時に空気インレットバルブ(c)が開き、空気がバッグ内に流入する。
③患者の呼気はアウトレットシャッター(a)方向へ流れ、アウトレットシャッターの弁を開き、大気開放口へ排出される。呼気が終了すると、アウトレットシャッターは元の位置に戻る。
①酸素インレットバルブ(d)に酸素供給源からチューブを接続する。このとき、付加される酸素流量は8L/分以下の設定であること。
②酸素付加に伴うバッグ内の過剰ガスは、インレットシャッター(b)へ流れる。このとき、インレットシャッターの移動が少ないため、インレットシャッターは大気開放部(z)を塞ぎません。
③過剰ガスはインレットシャッター、アウトレットシャッターを通過して、大気開放される。
以上が、酸素付加時の過剰ガス排出動作である。
①酸素インレットバルブ(d)に酸素供給源からのチューブを接続する。このとき、付加される酸素流量の設定が8L/分を超えていたとする。
②インレットシャッター(b)は高流量酸素付加に伴いアウトレットシャッター(a)方向へ移動、大気開放口を塞ぎ、インレットシャッターの弁が開くことで患者方向にガスが流れる。
③付加される酸素流量が本器の仕様を超えているため、②の状態が保持される⇒過剰ガスが排出されない、いわゆる呼気弁閉塞の状態となる。
④呼気弁閉塞の状態のため、患者およびバッグ内が過剰圧に晒され、換気操作もできない。
以上が呼気弁閉塞のメカニズムである。
①酸素リザーババッグのニップル(a)に、酸素供給源からのチューブを接続する。
②付加された酸素はリザーババッグ内に貯留される。バッグ内の過剰ガスは、アウトレットバルブ(b)をバッグ方向に移動させることで大気に排出される。つまり過剰ガスの排出を、蘇生バッグ本体を介さずに酸素リザーババッグで制御するため、呼気弁閉塞の状態が発生することはない。付加される酸素流量も 10L/分以上に対応。
以上が、酸素リザーババッグを併用した酸素付加の動作である。
※画像の無断使用・転用は掲載内容の転載、転用は禁止します。
ガイドライン
- 【現在のガイドライン】
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AHA心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン2005
日本語版 第4章 成人の一次救命処置(p30)より抜粋
ヘルスケアプロバイダーは可能であれば酸素投与(O2が40%超、最小流量10~12L/分)を行うべきである。理想としては、バッグに酸素リザーバーを取り付けて、100%酸素を送り込めるようにする。
- 【過去のガイドライン】
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AHA心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン2000
Guideline 2000 for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care 日本語版 第6章 二次救命処置 第3節 酸素投与、換気と気道管理のための補助器具(p113)より抜粋
バッグバルブは以下の条件を備えていなければならない(図2)。
- 1) 自動再膨張式バッグ
- 2) 最大酸素流入量30L/分の能力を備えた入口部バルブシステム
- 3) 非ポップオフ弁
- 4) 標準15/22mmコネクター
- 5) 酸素補助リザーバによる高濃度酸素投与システム
- 6) 非再呼吸弁
- 7) 異常温度環境などでも使用できる耐久性
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AACLSプロバイダーマニュアル日本語版
コラム「緊急時の酸素供給(Chapter3 高度なACLSスキル p22)」より抜粋
ACLSプロバイダーに推奨される酸素流量は、急性冠症候群(acute coronary syndrome, ACS)の患者の4L/分から、心停止患者で非侵襲的なフェイスマスクもしくは、バッグマスクで換気されている場合の8~12L/分までの範囲にわたる。(中略)
※本書面を無断で複製・使用等された場合の損害等については責任を負いかねます。
お願い
本自主回収につきましては、医療現場での確認作業等、お手数をお掛けし申し訳ございません。また、多大なるご理解とご協力を賜り感謝申し上げます。
本回収の対象となっております、アンブ社製ユニバーサル型蘇生バッグおよびコンパクト型蘇生バッグは、前代理店が販売を終了して既に10年が経過しております。また、補修部品の供給を終了して2年以上が経過しております。
ご案内の通り、販売開始以降30年を経過し、この間、酸素付加流量をはじめ、ガイドライン等その使用背景も大きく変わってきておりますし、バッグ自体も経年とともに劣化していることが予想されます。
順次、弊社にて回収作業を行っておりますが、実際に回収したバッグの多くに、劣化、破損が確認されており、緊急時に使用できないことが予想されるものが見られました。
また、お伺いしてみると、当該製品の酸素付加流量の上限が8L/分であることを把握されていない方もいらっしゃったようです。
【医療機器安全管理責任者様へのお願い】
医療現場における危険性排除による安全確保を目的とした、本回収の主旨をご理解いただき、何卒、回収へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
蘇生バッグは「高度管理医療機器」です。また、蘇生バッグはその性質上、緊急時に使用できることが求められるものです。
よって、日常的な機能点検、組み立ての確認、更には使用者への訓練が非常に重要となります。
弊社では、現在のガイドラインに基づき使用可能な商品、点検方法のご案内をさせていただくと共に、蘇生バッグ、心肺蘇生訓練モデル、トレーニング用機器を用いた教育訓練のご提案をさせていただきます。弊社は、今後も医療現場における安全確保のため、皆様をサポートさせていただきたいと存じます。
今後ともご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。
※本書面を無断で複製・使用等された場合の損害等については責任を負いかねます。