感染症パンデミックに備えて
- 掲載:2021年08月
- 文責:クリティカル・ケア部
国内では2020年年初より始まったCOVID-19の感染拡大は1年半が経過した今も感染の収束が見られていません。今も対応に当たられている医療従事者の皆様には感謝の言葉しかありません。
今後も新たな感染症発生の危惧も消えないところですが、今回は感染症に備え、カプノメータ「マシモ EMMA」と単回使用の蘇生バッグ「アンブ蘇生バッグSPURⅡ」をご紹介させていただきます。
感染症では、COVID-19やインフルエンザなどのように呼吸器系に影響を与えるものが少なくありません。
人工呼吸器管理やECMOによる治療が必要となる重症患者さんを含め、重症化の恐れがある中等症の患者さんでも、呼吸管理は重要な治療戦略のひとつとなります。こういった中で、患者さんの呼吸状態の把握は治療方針を決める上でも、また治療効果を確認する上でも重要なケアとなります。
もちろん、血ガスやX線検査、CT検査が最終的な方針を決める上では必須となりますが、頻回の血液採取は患者さんへの侵襲が大きくなること、感染症患者さんのX線撮影、CT撮影には移動のリスクを含めた二次感染の恐れから頻回に行うことは困難であると言うことができます。
また、通常であれば呼吸音を聴診することがルーチンに行われますが、特に感染防御具を着用しての聴診には困難が伴い、あまり役に立たないとの話も聞きます。このようなときに、視覚的に呼吸状態、気道状態を見ることができるカプノメータ、特にカプノグラム(波形表示)付のカプノメータがお役に立ちます。
カプノメータは、連続的に呼吸ガス(呼気、吸気)中の二酸化炭素ガス分圧をモニタリングし、呼気終末二酸化炭素ガス分圧を測定値として表示する医療器具です。
通常、呼気ガス中の二酸化炭素ガス分圧は血中の二酸化炭素ガス濃度と相関がありますので、呼気ガス中の二酸化炭素ガス分圧は、呼吸、循環、代謝の影響を受けます。
言い換えれば、呼吸状態、循環状態、代謝状態のいずれかに変化があれば値が変化します。この値のトレンドを見ることで、患者さんの状態の変化を推測することが可能となります。
カプノメータは、連続的に呼吸ガス(呼気、吸気)中の二酸化炭素ガス分圧をモニタリングし、呼気終末二酸化炭素ガス分圧を測定値として表示する医療器具です。
通常、呼気ガス中の二酸化炭素ガス分圧は血中の二酸化炭素ガス濃度と相関がありますので、呼気ガス中の二酸化炭素ガス分圧は、呼吸、循環、代謝の影響を受けます。
言い換えれば、呼吸状態、循環状態、代謝状態のいずれかに変化があれば値が変化します。この値のトレンドを見ることで、患者さんの状態の変化を推測することが可能となります。
カプノグラムは、この値の変化を時系列でグラフ化したものです。この波形の形状により患者さんの気道状態を大まかに推測することが可能となります。
例えば、正常な波形で見られる肺胞プラトー部が見られない波形では、事故抜管など気管チューブなど気道確保器具のずれなどのエアリークが発生していることが疑われます。
肺胞プラトーの角度が急峻となっている波形では、たん詰まりや気管チューブの詰まりやキンクなどの気道閉塞が疑われます。
正常な波形
肺胞プラトー部が見られない波形
肺胞プラトーの角度が急峻となっている波形
いずれの場合も完全なエアリークや気道閉塞の場合には、二酸化炭素ガス分圧を測定できない状態になっているため、測定エラーやアラームにより把握できますが、これらのカプノグラムに見られるような軽度のエアリークや気道閉塞では値の変化が小さく鑑別できない場合や、アラームが作動しない可能性があります。波形の変化を認識することにより早期の対応が可能となる場合もあります。
EMMAは小型のカプノメータで、小型でありながらカプノグラムも表示します。乾電池駆動ですので携帯性に優れており、短時間のモニタリングには打って付けです。
エアウェイアダプタは成人・小児用と新生児用が用意されています。
新生児用は新生児期までの患者さん用なので、通常は成人・小児用のみで十分です。一人の患者さん用ですので、入院中の患者さんで同じ患者さんには繰り返し使用することが可能です。
重症化により呼吸困難となった場合には補助換気が必要となります。人工呼吸器管理が必要な場合は、気管挿管して人工呼吸器による補助換気を開始することとなりますが、直ちに人工呼吸器を接続できないような状況では、直ちに蘇生バッグによる補助換気を開始する必要が生じます。
特に感染症患者さんの補助換気を行う場合には、二次感染の危惧があり、この予防には蘇生バッグのディスポ化が有効な手段のひとつです。
アンブ蘇生バッグSPURⅡは、単回使用の蘇生バッグです。フェースマスクが同梱されており、本体に酸素リザーババッグと酸素供給チューブが接続された状態で梱包されておりますので、組立て不要で開封してすぐに使用することが可能です。
入院中の患者さんで同じ患者さんには繰り返し使用することが可能ですので、人工呼吸器に切り替えた後もバックアップ用としてそのままお使いいただくことができます。
COVID-19が終息しても、将来的には新たな感染症発生の可能性も指摘されています。
今後のことも含めた対策を、今から検討しておくことが必要であると思われます。
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