睡眠習慣・睡眠障害

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監修:山内 基雄 先生
奈良県立医科大学 医学部看護学科
臨床病態医学講座 教授

睡眠習慣・睡眠障害

睡眠の役割

睡眠は身体機能の回復だけでなく、脳を休ませることで記憶の整理、認知機能の維持、免疫活性など様々な役割を担っています。睡眠が悪化することで様々な疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが報告されています。
日本人の睡眠状況は世界各国と比較して少ないです1)

図1世界の睡眠時間
(図1)OECD, Gender data portal 2023: Time use across the world  https://www.oecd.org/gender/data/

適切な睡眠時間

働く世代にとって必要な睡眠時間は7~9時間。
働く世代は慢性的に睡眠不足になりがちです。習慣的に7時間前後眠っている人は死亡や様々な疾患のリスクが最も低く、逆に6時間未満の短い睡眠はそれらのリスクを高めることがわかっています1,2)

休養感のある睡眠のために
適切な睡眠の目安として、朝目覚めた時にしっかりと休まった感覚(休養感)があることが重要です。 成人の場合、1日に少なくとも6時間以上の睡眠を確保するように心がけましょう。

睡眠時間とリスク

睡眠不足が引き起こす悪影響

一時的ではなく、数日にわたって睡眠不足が積み重なっている状態を「睡眠負債」と呼びます。平日に蓄積した睡眠負債を後から解消するために、休日に長く眠る「寝だめ」の習慣を持つ人が働く世代には少なくありません。しかし、休日に寝だめをすることで、就寝・起床の時刻に平日と休日とでずれ(多くは休日に後退)が生じます。これは「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」と呼ばれ、寝だめには平日と休日を行き来する度に体内時計が乱れるという代償が伴います3)

睡眠不足が引き起こす悪影響

睡眠負債やソーシャルジェットラグは眠気や疲労感をもたらし日中の活動に悪影響を与えるだけでなく、以下のように気付かないうちに心身の健康にも悪影響を与えかねません。

  • 注意力の低下
  • 記憶力・学習力
    の低下
  • 代謝機能の低下
  • 免疫力の低下
  • 気分障害
    のリスク増加
  • 生活習慣病
    のリスク増加

適切な睡眠時間は人それぞれです。昼間眠くならない程度の睡眠を心掛けましょう。

睡眠と疾患

短時間睡眠の原因として、睡眠関連疾患が関与していることがあります。

睡眠関連疾患とは

睡眠関連疾患とは文字通り、睡眠に関連した疾患群の総称です。
国際的な診断指針では病態上の特徴などから下記の疾患群に分類されます4)

これらの睡眠障害を検査する代表的な方法としては、「終夜睡眠ポリグラフ検査」と「睡眠潜時反復検査」があります。


【 参考文献 】

1. 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023 https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
2. Shen X, et al. Nighttime sleep duration, 24-hour sleep duration and risk of all-cause mortality among adults: a meta-analysis of prospective cohort studies. Sci Rep. 2016 Feb 22:6:21480
3. Marc W, et al. Social jetlag: misalignment of biological and social time. Chronobiol Int. 2006;23(1-2):497-509
4. 一般社団法人日本睡眠学会:睡眠障害国際分類第3版 株式会社ライフ・サイエンス出版, 2018
5. 日本呼吸器学会、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020 https://www.jrs.or.jp/publication/file/guidelines_sas2020.pdf
6. みんなの呼吸器 Respica 2024 Vol22 no.1:96-98
7. Mokhlesi B,et. al. The effect of sex and age on the comorbidity burden of OSA : an observational analysis from large nationwide US health claims database. Eur Respir J. 2016 Apr;47(4):1162-1169
8. 井上雄一×山城義広:睡眠呼吸障害Update2022 東京:株式会社ライフサイエンス,2022
9. 宮地舞:歯科医師のための睡眠時無呼吸治療. 東京:クインテッセンス出版, 2022

アイ・エム・アイ株式会社 IMI.Co.,Ltd

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