第48回日本集中治療医学会・学術集会 イブニングセミナー4 ご報告
- 掲載:2021年04月
- 文責:クリティカル・ケア部
第48回日本集中治療医学会・学術集会(会長:香川大学救急災害医学講座 教授 黒田泰弘 先生)がオンライン形式にて開催され、2月13日(土)イブニングセミナー4を共催しましたので、ご報告いたします。
| 日時 : | 2021年2月13日(土)19:00~20:00 |
|---|---|
| 司会 : | 本多 満先生 |
| 演者① : |
久保田 有一先生 |
| 演者② : |
宍戸 肇先生 |
| 抄録 : |
演題①:瞳孔からみえる神経集中治療
久保田 有一 先生(東京女子医科大学東医療センター 脳神経外科)
まずはじめに瞳孔の解剖と対光反射の仕組みについて、図や実際の脳外科手術の映像を用いてご説明されました。更に今まで慣習的に使っているペンライトは一致率が低く曖昧であるが、瞳孔記録計の普及により客観的な観察が可能となったと解説されました。
海外の情勢として米国では幅広く瞳孔記録計が導入されているが、日本ではそれほど普及していないため今後の普及が期待されると説明され、後半では具体的な臨床評価として瞳孔記録計NPi-200を自施設の患者に使用し、有用だった症例を2例報告されました。
- 外科の患者でNPi値が急に低下したため、CTを施行すると脳出血を起こしていた。NPi値をトレンドで追っていたことで早期に発見
- 頭部外傷の患者。搬送直後は脳が圧迫されておりNPi値は0だったが、術後は圧迫が解除され、NPi値が上昇した。その後はリハビリを行い回復。NPi-200を使用したことで諦めずに治療が可能であった
新たに発表された文献では、NPi値でNCSE(非痙攣性てんかん重積状態)を予測できる可能性が示されました。今後、瞳孔を測定することで大きな可能性が広がることを示唆されました。
演題②:神経集中治療における自動瞳孔計の臨床的有用性
宍戸 肇 先生(香川大学医学部附属病院 救命救急センター)
神経集中治療現場での自動瞳孔計の有用性を自施設の経験と文献を交えて講演されました。
■ 脳浮腫の管理として使用
- NPi値の低下がきっかけで緊急CTを施行し、脳ヘルニア兆候を発見し、緊急手術となった症例を2例経験。NPi-200を使用したことで早期介入が可能だった
- 中脳出血の患者は全てNPi値0を示した
- NPi、CV、CHの値が、血腫量・CT異常・意識障害の程度と相関した。頻回なCTを必要とせず、ベッドサイドで脳出血の程度を経時的に評価できる可能性がある
- NPiはICP(頭蓋内圧)上昇を予測するという報告があるが、ICPが正常値でもNPiは異常を示す場合もあり、ICPが捉えることのできない異常をNPiは捉える可能性がある。単一での診断ではなく、包括的に診断することが重要
■ PCAS(心停止後症候群)の予後予測として使用
- AHA2020ガイドラインの予後予測の評価に「定量的瞳孔測定を考慮するのは妥当である」と記載が追加された。米国では普及が進んでいるが日本ではまだ認知が不足している
- NPiを使用した予後予測の文献が多数発表されている
- 予後予測の原則として、複数の項目で行うべきだが、1つの指標としてNPiは有用
座長の本多満教授(東邦大大森病院)より、「NPiで異常が察知できれば、頻回にCTを撮る必要がなくなり、負担も減るのでとても良いと思う」というコメントも頂きました。
今後の神経集中治療領域において必要になるアイテムでもあり、「AHAガイドライン2020」には「瞳孔所見を定量的に計測することを推薦する」との文言が謳われています。
ご講演、誠に有難うございました。改めて今回携わって頂きました諸先生方に深く御礼を申し上げます。




![[Neuroモニタリング倶楽部]のご紹介](http://www.imimed.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/neuromoniter_mini.png)

