日本蛍光ガイド手術研究会第8回学術集会 ランチョンセミナー2
「ICG蛍光造影を活用した循環補助デバイスの研究開発から考えるICGの新たな可能性」ご報告
- 掲載:2025年07月
- 文責:急性期ケアエリアチーム
日本蛍光ガイド手術研究会第8回学術集会(2025年5月23日~24日、当番世話人:杉江 知治先生 関西医科大学香里病院 化学療法センター センター長)にて、会期2日目の5月24日(土)に、浜松ホトニクス株式会社、アイ・エム・アイ株式会社共催でランチョンセミナーを共催いたしましたので、ご報告申し上げます。
| 日時 : | 2025年5月24日(土) 12:20~13:20 |
|---|---|
| 会場 : | 京都大学百周年時計台記念館 国際交流ホール 第一会場 |
| 演題 : |
ICG蛍光造影を活用した循環補助デバイスの研究開発から考えるICGの新たな可能性 |
| 演者 : |
藤原 立樹 先生 |
| 座長 : |
杉江 知治 先生 |
| 共催 : |
日本蛍光ガイド手術研究会第8回学術集会 |
| 学会HP : | |
| 抄録 : |
セミナーの概要
研究背景
- 2020年に猛威を振るったCOVID-19パンデミック当時、東京医科歯科大学医学部附属病院(現:東京科学大学病院)は、東京都からの要請で、他院では対応困難な重症例を積極的に受け入れた。
- COVID-19は、高病原性かつ急速な進行を伴い、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に至る重症例では、膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)の装着が数時間以内に必要となる状況もあった。
- ECMOを使用すると、肺の機能を休ませられるメリットがある。しかし、ECMOの回路内に血栓が形成されることが多々あり、これにより血栓塞栓症の発症や、人工肺のガス交換機能の低下といったリスクが生じる可能性があった。
- 回路内に血栓ができた場合、速やかに回路交換を行う必要があるが、回路内の血液と血栓を見分けることは困難であった。
ICG蛍光造影を応用した経緯
- 回路内の血栓と血液は、同じ赤色調であるため、血液中に存在する血栓を検出し、詳細に評価することは大変難易度が高い。しかし、血液の流れの評価に使用されるICGとICG蛍光観察カメラを用いることで、血液と血栓部位の見え方が変わり、目視での見逃しを少なくできるのではないかと考えた。
- ICGは、血液中のα1リポ蛋白質と結合すると、特定の波長の光によって励起され、近赤外波長の蛍光を発する性質を持つ。それをICG蛍光観察カメラで観察すると、血液中のICGは蛍光により明るく表示され、反対に血栓部はICGによる蛍光が観察されないため暗く表示されると考えた。
動物実験および臨床研究
- 今回、蛍光を観察するカメラとしてpde-neo(PDE®:Photodynamic Eye)を用いて、動物実験および臨床研究を行った。

- 動物実験の結果、ECMO回路中の血液から血栓を目視するのは困難だが、pde-neoで観察すると「血液は白、血栓は黒」と白黒二色で表現されるため、客観性の高い評価が可能であり、血栓の早期発見ができ、見逃しが起きにくいことが分かった。
- 臨床研究の結果、pde-neoを用いることで、ECMO回路中の血栓が経時的に変化していく様子を詳細に観察することが可能であった。
- 追加の研究として、人工肺内の血栓の形成を防ぐために、遠心ポンプに拍動流を創出させることにより人工肺内の血栓抑制効果が得られると考え、拍動流による人工肺の血栓形成予防効果の検証を行った。ここでも血栓の観察はpde-neoを用いた。
研究成果
- 拍動流と定常流での回路内血栓形成に関する研究の結果として、血栓形成の経時的観察が可能であり、定常流回路では早期より血栓の形成を認めた。また、定常流の血栓占有率と拍動流の血栓占有率を比較することで拍動流の血栓抑制効果を実証できた。
- ICG蛍光観察による血栓検出が可能であったことから、ICG動画からの血栓自動識別アルゴリズムを考案し、「血栓検出システム及び血栓検出方法」に関する特許出願を行った。

最後に、今回のランチョンセミナーで座長として多くの質問を引き出してくださった杉江 知治先生、そして貴重な研究内容をご講演されました藤原 立樹先生にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
ご講演内容はpde-neoを使用されていますが、現在この機種は製造終了となっており、後継機種としてPDE-GEN3を販売しております。
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