セミナー情報

IMIオンラインセミナー「当救命センターにおけるSL One®を活用した急速輸血戦略」 ご報告

  • 掲載:2023年11月
  • 文責:カスタマーソリューション推進部
IMIオンラインセミナー「当救命センターにおけるSL One<sup>®</sup>を活用した急速輸血戦略」 ご報告

弊社は、2023年7月12日(水)にWebinarを開催いたしました。
徳島県立中央病院 救命救急センターより川下陽一郎先生を演者に迎え、「当救命センターにおけるSL One®を活用した急速輸血戦略」についてご講演いただきましたので、ご報告申し上げます。

アイ・エム・アイ株式会社 
オンラインセミナー

      
開催日時 : 2023年7月12日(水)
19:00~19:40
会場 : Zoomウェビナー アイ・エム・アイ株式会社 東京本部より配信
講演 :

「当救命センターにおけるSL One®を活用した急速輸血戦略」
川下 陽一郎 先生
徳島県立中央病院 救命救急センター長

主催 :

アイ・エム・アイ株式会社

セミナー冒頭にて、今回は徳島県立中央病院における危機的出血への戦略、SL One®導入から定着まで、最後に外傷出血性ショック症例についてご説明されました。

最も大事にしていることは左記のような「CSCA」であり、その中でもC:Command & Control(指揮命令系統)が出血の現場では非常に重要な取り組みであるとのことです。
危機的出血への対応ガイドラインにも記載されているが、危機的出血が発生した場合は、まずはコマンダーを決定して非常事態宣言をしてから、輸血と手術、指揮命令系統の確立をさせていくことが重要とご説明されました。

非常事態宣言は「Trauma Call」という名前で病院内全体のコールとして決めており、大量輸血戦略としてMTP(Massive Transfusion Protocol)の内容を下記の通り策定しているとのことです。具体的にはRBCとFFPを4単位ずつ1セットにしてオーダーし、血小板も適宜オーダーする戦略をとられています。


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急速に輸血するためのツールを準備することも大事であり、輸血には急速輸液装置 SL One®を現在使っているとのことです。また、FFPをいかに早く溶かすかも重要であるため、救急外来にも融解装置を設置されているとのことです。

Hybrid ER方式のDSA-CT室が使える場合は直入する場合があり、必要があればダメージコントロールサージェリーを実施することもあるようです。

また、「CSCA」の3番目のC:Communication(情報伝達)については、病院前診療におけるICTの活用についてご紹介いただきました。これはiPhoneやAirPodsなどを活用することで、現場スタッフはハンズフリーの状態で患者さんを処置しつつ、院内の救急外来スタッフにリアルタイムで情報伝達することで、到着までに院内スタッフが事前準備できるとのことでした。

次に、「当院でのSL One®導入から定着まで」というタイトルでお話しいただきました。
救急現場の看護スタッフが機器のセットアップをする環境であるため、チューブ類の装着やプライミング操作自体に慣れていないこともあり、多くのスタッフがセットアップできるまでには何度も説明会を実施し、動画撮影も取り入れて、Off-the-job、On-the-jobトレーニングを実施されているとのことです。

―院内説明会―

また、ドクターヘリで搬送された高エネルギー外傷(外傷出血性ショック症例)に急速輸液装置SL One®をご使用された例を動画でわかりやすくお示しいただきました。

・Hybrid ER方式(DSA-CT室へ直入)で診療を行う方針へ(下写真)

・Massive Transfusion Protocol(MTP)発動により、血液製剤がリザーバに貯められた状態でSL One®を設置(下写真)

―Hybrid ER方式(DSA-CT室)の様子―
―ブリーフィングの様子―
  • 到着までにブリーフィングを実施 ⇒ 患者さんの状態や治療戦略を共有
  • 造影CTの結果、下腿以外は介入を要さないと判断 ⇒ SL One®で輸血をできるだけ入れてからERへ移動(SL One®本体は患者さんより先にERへ移動)
  • ERで準備が整い次第緊急手術を実施する方針へ

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―SL One®データ履歴をグラフ化―
  • SL One®のデータ履歴をグラフ化することも可能で、症例を振り返ることができる点について触れていただきました。
    時間経過とリザーバの量変化から紐解いていくと、症例全体の治療経過を振り返ることができるとのことでした。
    本症例ではHybrid ERから救急外来へ診療場所を移動する際も以前の機種に比べてSL One®はコンパクトで移動しやすく、セッティングでも立ち回りやすいとのことでした。

ご講演後に質疑応答のお時間を設けていただきましたので、主な内容を後述致します。
他にもご講演には、日々の診療でSL One®をご使用されているうえでの改善要望点についても触れていただき、弊社や製造メーカにとっても貴重なご意見をいただく機会となりました。
この度は、日々の診療でご多忙にも拘らずご講演をしていただきました川下先生に、心より感謝申し上げます。

質疑応答内容

Question1

「以前使っていた急速輸液装置と比べてご使用の際に良い点はなんでしょうか?」

Ansewer1

「入れる単位数を決めてしまえば、リザーバに予め貯めておけるので、以前と比べてタイムロスがなくなりました。前の機種と比べてSL One®は重心が低いため、移動の面が楽になりました。データの履歴解析ができるので、症例の振り返りができることや、急速ハンドルなどのボーラス投与機能が気に入っていますね。」

Question2

「患者ラインを2ラインでご使用された症例はありますか?」

Ansewer2

「私自身は1例しか2ラインで投与した経験がないので、どのくらい差があるかまでは検証できていません。他施設の手術室でSL One®をご使用されている報告を聴く限り、相当早い流量で投与できている印象がありますね。」

Question3

「院内での移動時に輸液・輸血はされていますか?」

Ansewer3

「以前の機種では移動中にも投与していましたが、運びにくいこともあって危険と感じていたので、移動中の投与はやめることにしました。SL One®になってからはリザーバに貯めていた量(決めていた投与量)を前室でボーラス投与してから移動することにしています。また、以前の機種は輸液ラインを外すと、液体の漏れも多かったのですが、SL One®を使うようになってからはそのような漏れが殆どないこともメリットに感じています。」


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アイ・エム・アイ株式会社 IMI.Co.,Ltd

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