セミナー情報

第112回日本小児科学会学術集会 「aEEG脳波トレンド」「陽・陰圧体外式人工呼吸器BCV」

  • 掲載:2009年05月
  • 文責:レスピラトリ・ケア部
第112回日本小児科学会学術集会 「aEEG脳波トレンド」「陽・陰圧体外式人工呼吸器BCV」

第112回 日本小児科学会学術集会レポート奈良県文化会館

メインテーマ: 歴史に学び未来をひらく小児医療
会期: 2009年4月17日(金)~19日(日)
会場: 奈良県文化会館 奈良県新公会堂 奈良県商工会議所会館

会頭: 吉岡 章 先生(奈良県立医科大学 理事長・学長)

初夏を感じさせる日差しの中、第112回小児科学会学術集会が2009年4月17日から19日の3日間、開催されました。会場のロケーションは、歴史都市・奈良にふさわしく東大寺、興福寺の目前にあり、会場周辺の通りは観光客と学会参加者が交り合い、大変な賑わいを見せておりました。

学会場にはお子様を同伴された先生の姿も見かけられ、お子様が学会に笑顔を運んできた事はいうまでもありません。

 

今学会で弊社が注目していた講演内容は以下です。

当院における非侵襲的人工呼吸管理の検討
埼玉医科大学病院小児科 植田 譲 先生

北里大学病院小児科における急性期呼吸障害に対する二相性体外式人工呼吸器の使用経験
北里大学小児科 林初香 先生

Amplitude-integrated EEGを用いた小児てんかん発作のモニタリング
順天堂大学小児科・思春期科 奥村 彰久 先生

「当院における非侵襲的人工呼吸管理の検討」
埼玉医科大学病院小児科 植田 譲 先生

小児体外式人工呼吸器RTXとNPPVを導入し、呼吸不全状態、急性呼吸障害に使用した呼吸管理の経験についての発表でした。
体外式人工呼吸器+NPPVを使用した結果、在院日数・人工呼吸器の使用時間に、それを使用しないケースと比べ改善がみられたという内容で、比較対象となったケーススタディは、「気管内挿管」「体外式人工呼吸器RTX」 「RTX+NPPV」となっていました。
発表後の質疑応答の中で「RTXに関して、臨床適応は、どういう判断が必要か」との質問があり、植田先生から「RTXは非侵襲ゆえに、第一の選択として迷わず実施しても問題はないのではないか。様子を見て悪くなるようであれば、次のステップ(NPPVもしくは挿管)へと移行すれば良いのではないかと考えいている」とのご回答がありました。

 

「北里大学病院小児科における急性期呼吸障害に対する二相性体外式人工呼吸器の使用経験」
北里大学小児科 林 初香 先生

二相性式体外式人工呼吸器(BCV)の小児における急性期呼吸障害に対する補助換気法に関する発表でした。10数例に及ぶ臨床結果の中から、特に2例についてBCV適応症例の報告であり、大変興味のある内容でした。

1例目は、小顎症と高度鼻孔狭窄を伴うApert症候群の4か月男児の呼吸不全時のBCV適応症例。2例目は、複雑心奇形と血管圧迫による左主気管支狭窄、右横角膜縫縮術後の2歳女児の、心奇形再手術後、左横隔神経麻痺を併発時のBCV適応症例。
この2例について、BCVの適応、不適応の見解を述べられていました。 BCVを使用するにおいては良い点などもある反面、病態に即したモードや体位を選択し、臨床の症状などから常に再評価を行う事が重要であるというものでした。

 

上記2題の発表後には、弊社ブースへ興味を持たれた先生方が多数来られました。

「Amplitude-integrated EEGを用いた小児てんかん発作のモニタリング」
順天堂大学小児科・思春期科 奥村 彰久 先生

奥村先生未熟児、新生児の16%は潜在的に『てんかん』の可能性があるといわれていますが、奥村先生の発表内容は、『てんかん』の発作を従来の脳波、EEGのみの観察に加え、トレンド分析を用い発作の出現をいち早くキャッチしようというものでした。そのトレンド分析として Amplitude-integrated EEG(=aEEG)を使用することで、発作出現の予測精度を上げることが可能であることを述べられていました。

このaEEGトレンド分析について、欧米ではスタンダードな分析方法と認知されておりますが、日本でも徐々に認知度を増し定着していくと考えております。

 

発表の様子弊社では「脳機能モニタNicoletOne」を取り扱っておりますが、ニコレーワンのaEEGの基本原理は、EEGの振幅を双極法の上限・下限を内蔵のアルゴリズムを介して、増幅圧縮し表示いたします。

奥村先生は、aEEGの判読方法を実例を用いて解説されており、一見難解なaEEGも誰でも分かり易く読み取れる事を実証されており、NICUでの標準的な指標となっていくと感じずにはいられませんでした。

今学会のメインテーマは「歴史に学び未来をひらく小児医療」でしたが、小児医療を取り巻く環境もまた、大変厳しいものではありますが、その中にあって小児科医不足、小児科医の育成、教育をどうのように推進していくかという意欲ある発表に、未来を期待し、自分自身、少しの助力にでもなれればと考えております。

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