特別企画

令和4年度診療報酬改定について

  • 掲載:2022年05月
  • 文責:事業開発部
令和4年度診療報酬改定について

令和4年度診療報酬改定が公開されました。新型コロナウイルス感染症対応も含めた「新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築」、従来からの課題である「地域包括ケアシステムの推進」が大きな柱になっています。「タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療」を推進することで医療従事者の負担軽減を行いつつ、効果的な医療提供を目指す内容となっています。ここでは入院医療を中心に医療機能別に改定内容をまとめてみます。

高度急性期

高度急性期領域では、特定集中治療室(以下、ICUと表記)に関して大きな動きがありました。ICUに対して「重症患者対応体制強化加算」が新設されました(図参照:赤字は主な改定箇所)。新型コロナウイルス感染症対応では重症患者をケアする専門性の高い看護師及び臨床工学技士の配置を評価することになりました。

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「早期離床・リハビリテーション加算」(平成30年の改定で新設)はICUだけでなく、救命救急入院料・ハイケアユニット入院医療管理料・脳卒中ケアユニット入院医療管理料・小児特定集中治療室管理料の届出病棟・病床でも施設基準を満たすことで算定が可能となりました。

早期からのリハビリテーションは定評があり、今後も急性期領域での早期離床・リハビリテーション実施への取組が進むものと推察されます。

急性期

急性期領域では、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」に係る評価票の改定が行われ、「心電図モニターの管理」が削除されました(下表の二重線(赤線)部を参照、赤字は改定箇所)。重症患者割合の確保に影響が予想されます。その代わりに重症患者受入基準を緩和しています。

< 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度 >
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「入院料1」と「入院料2」の差(7対1と10対1の差)を広げ、「入院料2」への移行を誘導。「急性期(救急、手術)」受入をより厳格にすることで、急性期機能の選別・集約を目指しているといえます。

< 急性期一般入院料届出における重要患者受入の基準割合 >
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急性期医療への取組を評価する加算として「急性期充実体制加算」が新設されました。特に高度急性期医療の提供、その中でも救急搬送や手術等の実績を評価するものです。ただし、急性期一般入院料1届出に限定され、かつICUや救命救急入院料等特定入院料届出が条件になります。

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また、新型コロナウイルス感染症対応において入院患者の医療機関の間での搬送が増えたことから、「C004救急搬送診療料 1,300点」の改定が行われました。従来は在宅患者の搬送にのみ適用されていましたが、医師の同乗を条件に入院患者についても適用することになりました。

また搬送中に人工呼吸器やECMO等を装着する状態の患者については「重症患者搬送加算」として1,800点が加算されます。

回復期

回復期領域では、地域包括ケア病棟入院料・管理料について、従来から400床以上の医療機関については、自院内特にDPCからの転棟について制限(転棟患者割合6割未満)が設けられています。今回、入院料2・4では200床以上の医療機関について6割未満にするよう制限され、満たない場合85/100に減額されます。

また、自宅(在宅)からの入棟・緊急患者の受入では患者割合や在宅医療実施の基準がより厳格になりました(図参照)。これによって本来のSub-Acute機能(在宅への移行や在宅からの一時受入等の機能)を充実させ、地域包括ケアシステムの構築を促進することが目指されています。

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慢性期

慢性期領域では、療養病棟入院料の「医療区分」で一部見直しがありました。障害者施設等入院料でも「重度の意識障害を有さない脳卒中患者」は療養病棟入院料の「医療区分」を踏まえて算定され、実質減額となります。ここでも重症患者受入への基準が厳格化され、介護や在宅への移行を推進しているとみることができます。

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入院医療を中心に主な改定点をまとめました。特に最近の新型コロナウイルス感染症対応において最も重要視されているのが急性期の入院医療です。高度急性期・急性期、特にICUに対する加算新設、早期離床・リハビリテーション実施の対象拡大、タスクシフト・チーム医療推進についての内容が盛り込まれています。

回復期・慢性期については本来の患者を受け入れるための基準が強化されました。このように感染症に手厚く対応しつつ、医療機能の明確化と集中が進んでいきます。

弊社の取扱商品に関連する診療報酬改定

J処置 「J045-3 人工呼吸 5時間を超えた場合」の点数が改定され、自発覚醒トライアル(SAT)及び自発呼吸トライアル(SBT)実施の場合の評価が新設されました(詳細は図参照)
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D検査 「D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定」が30点から35点に改定されました。
L麻酔 「L008-2」の呼称が「低体温療法」から「体温維持療法」に変更になりました。また算定条件が「目標温度が35℃以下から36℃以下に、維持時間が12時間以上から24時間以上に」変更になりました。
J処置 「J045-3 人工呼吸 5時間を超えた場合」の点数が改定され、自発覚醒トライアル(SAT)及び自発呼吸トライアル(SBT)実施の場合の評価が新設されました(詳細は図参照)
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D検査 「D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定」が30点から35点に改定されました。
L麻酔 「L008-2」の呼称が「低体温療法」から「体温維持療法」に変更になりました。また算定条件が「目標温度が35℃以下から36℃以下に、維持時間が12時間以上から24時間以上に」変更になりました。

関連する当社商品のご活用の検討をいただければ幸いです。

まとめ

新型コロナウイルス感染症等にも対応できる
効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築
  • 新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築、医療計画の策定
  • 地域包括ケアシステムの推進
安心・安全で質の高い医療実現のため、
医師等の働き方改革等推進
  • 各職種が高い専門性を発揮するための勤務環境の改善
  • タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療の推進
新型コロナウイルス感染症等にも
対応できる効率的・効果的で
質の高い医療提供体制の構築
  • 新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築、医療計画の策定
  • 地域包括ケアシステムの推進
安心・安全で質の高い
医療実現のため、医師等の
働き方改革等推進
  • 各職種が高い専門性を発揮するための勤務環境の改善
  • タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療の推進

<参考URL>
厚生労働省website[令和4年度診療報酬改定について] ※外部サイトが開きます
※本文添付の図は上記資料を参考に作成しています。


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