RTXレスピレータ(陽・陰圧体外式人工呼吸器)
- 掲載:2018年06月
- 文責:レスピラトリ・ケア部
RTXは挿管や気管切開をすることなく、生理的な呼吸様式に近い換気法の人工呼吸器です。
キュイラスと呼ばれる胸当てを胸腹部に装着して、キュイラス内に器械本体から陰圧・陽圧をかけ、主に横隔膜を動かすことで呼吸を補助します。
従来型の人工呼吸器に比べ侵襲度も少なく、患者さんのQOLの向上を図ることができます。
RTXの特徴
- BCV(Biphasic Cuirass Ventilation)と呼ばれる換気法です。
従来型の体外式人工呼吸器は陰圧による吸気の補助のみですが、RTXでは陰圧と共に陽圧を用い、吸気だけでなく呼気の補助も行います。 - クリアランスモード(喀痰モード)が搭載されています。
排痰を目的にしたモードが搭載されています。このモードはバイブレーション(振動)とコフ(擬似咳)を組み合わせることで、気道分泌物の喀出を促進させるモードです。 - キュイラスサイズが11種類。
サイズが11種類あります。体重3kg程度の新生児から100kg程度の成人まで、幅広く使用可能です。 - 理学療法としても。
RTXの呼吸様式により呼吸筋疲労の軽減が可能になります。さらにクリアランスモードではタッピング・スクイージングに近い効果が期待できます。
RTX使用目的と効果
- 無気肺改善・肺炎の予防
クリアランスモードを継続使用することで気道分泌物の喀出を助長し、無気肺部分の改善を図ることができます。また積極的に分泌物の排出により肺炎の予防にもなります。 - 再挿管回避・早期抜管の実現
従来型人工呼吸器から離脱された患者さんをRTXによって管理することも可能です。これにより再挿管率を低下させることができます。さらに従来型人工呼吸器と併用することも可能です。 - 心臓術後の管理を改善
一般の人工呼吸器では陽圧のみによる非生理的な換気ですが、RTXでは陽圧期と陰圧期が存在し、より生理的な換気様式です。心臓術後、特に小児領域で従来の人工呼吸器からの離脱後にRTXを使用することで、より生理的な呼吸管理が可能になります。 - 循環動態への好影響
陰圧時に胸郭が広がり、胸腔内圧が低下することで循環動態への好影響が期待できます。 -
高炭酸ガス血症の改善
陽圧をかけることでの呼出補助により、高炭酸ガス血症患者さんに対して積極的なCO2排出が可能です。 当社で取り扱っている経皮的PCO2モニタ(TCM5)を併用することで治療効果をモニタすることができます。
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