第112回日本外科学会定期学術集会 ランチョンセミナー
「ICG蛍光法の現状と展望-光が導く消化器外科手術-」
- 掲載:2012年05月
- 文責:クリティカル・ケア部
2012年4月12日~14日 幕張メッセ国際会議場にて、宮崎 勝先生(千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学 教授) 会頭の下、『第112回日本外科学会 定期学術集会』が華々しく開催されました。その最終日の4月14日に「ICG蛍光法の現状と展望-光が導く消化器外科手術-」と題し、消化器外科領域のICG蛍光法をテーマにランチョンセミナーを共催させていただきました。
座長に東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科 教授 國土 典宏 先生をお招きし、東京大学 肝胆膵外科 石沢武彰 先生、姫路赤十字病院 外科 信久徹治 先生にICG蛍光法の現状と展望についてご講演いただきました。今回、多くの皆さまにご来場いただき、大変盛況なランチョンセミナーとなりました。
東京大学 肝胆膵外科 石沢武彰 先生より、胆管内あるいは静脈内に投与し、胆汁中のICGを画像化させる『術中胆道造影』。また、術前肝機能検査のために静注されたICGが肝細胞癌組織、あるいは腫瘍に圧排された非癌部肝組織に鬱滞する現象を利用し、ICG蛍光法を用いて微小な肝癌を同定する『肝癌の術中ナビゲーション』。『臨床現場で求められる、次世代のシステム』についてなど、肝胆膵領域においてのICG蛍光法の現況と、今後の展望についてご発表頂きました。
続いて、姫路赤十字 外科 信久徹治 先生より、胃管再建・結腸再建・遊離再建・咽頭胃吻合等の『再建臓器の血流評価』。絞扼性イレウス・鼠径ヘルニア嵌頓・腸重積等の『虚血腸管の血流評価」等、消化管領域のICG蛍光法、消化管の血流を観察する目的についてご発表頂きました。血流の有無だけではなく、どのぐらい流れているのか?数値化・定量化を目的に「輝度解析ソフトROIs」を用いて、映像の輝度を数値化・定量化するという新たな可能性についても触れて頂きました。
当初、赤外線カメラシステムPDEは乳腺外科領域のセンチネルリンパ節の同定を目的に開発されましたが、消化器外科領域においてのICGの蛍光法の有効性を改めて実感いたしました。
最後に、素晴しいご発表をいただいた演者の石沢先生、信久先生及び、大変分かりやすい解説、スムーズな司会進行により、本ランチョンセミナーを成功に導いていただきました國土先生に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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