セミナー情報

第48回日本集中治療医学会・学術集会 教育セミナー(LS)19
「本邦でのECPR・TTMの現状」ご報告

  • 掲載:2021年04月
  • 文責:クリティカル・ケア部
第48回日本集中治療医学会・学術集会 教育セミナー(LS)19 <br>「本邦でのECPR・TTMの現状」ご報告

第48回日本集中治療医学会学術集会(2021年2月12日~14日、会長:香川大学 医学部・医学系研究科 医学部救急災害医学講座 教授 黒田 泰弘 先生)がWeb開催されました。弊社では、株式会社メディコンと共に、「本邦でのECPR・TTMの現状」と題した教育セミナー(LS)19を共催いたしました。

※ECPR(Extracorporeal Cardiopulmonary Resuscitation):体外循環式心肺蘇生法
※TTM(Targeted Temperature Management):目標体温管理療法

教育セミナー(LS)19
日時:

2021年2月13日(土)12:30~13:30

演者 :

一二三 亨 先生
聖路加国際病院 救急部・救急救命センター 副医長

司会 :

野々木 宏 先生
大阪青山大学 健康科学部 客員教授

共催 :

株式会社メディコン
アイ・エム・アイ株式会社

抄録 :

※pdfが開きます(439KB)

演者の一二三先生は、聖路加国際病院 救急部にて副医長としてご勤務しておられ、日本救急医学会救急科専門医、日本集中治療医学会専門医をはじめ、日本外傷学会外傷専門医、総合内科専門医、麻酔科学会専門医といった様々な専門医資格を取得され、臨床の第一線でご活躍されています。
本セミナーでは、本邦におけるECPRの現状、TTMの現状についてご講演いただきました。

ECPRの現状

世界のECPRの注目度や本邦の過去の研究、進行中の研究についてご説明されました。

  • ECPRに関する文献報告数は年々増加し、現在は韓国が1番多く、2番目に日本であり、東アジア、ヨーロッパ、北米を中心に世界的に注目されている。
  • ECPRの領域では日本がリードし、蘇生ガイドライン内容作成に寄与している。
  • 2014年に発表されたSAVE-J Studyは、国内でECPRを実施した26施設と未実施の20施設の転帰を比較検討した結果、ECPR実施群で転帰良好の割合が多かったという研究1)であり、2015年蘇生ガイドラインにも影響を与えた。
  • 現在はSAVE-JⅡ Studyが進行中。国内36施設で過去(2013~2019年)にECPRを施行した患者データから、生存率・神経学的転帰を調査し、ECPRの適応や転帰改善に寄与する因子を検討している。
  • 速報として1723症例のうち、263症例(15.3%)で神経学的転帰良好(CPC1-2)という結果が報告された。
  • SAVE-JⅡ参加施設にECPR施行中の管理についてアンケートを実施し、集計後に発表を予定している。

TTMの現状

主に2020年にFabio Silvio Tacconeによって提唱されたHigh-Quality-TTMについての文献2)を基にご説明されました。

  • High-Quality-TTMでは、以下の内容が提案されている。
    導入: 蘇生後の再灌流障害を最小限にするために、できるだけ早くTTMを開始する。
    冷却維持: 24時間と48時間で良好な神経学的転帰に有意差はなく、少なくとも24時間以上実施すること。
    復温期: 復温速度は、ゆっくり(0.15-0.25℃/h)、そして特定の自動制御デバイスを使用しコントロールされるべきである。ゆっくり、コントロールされた復温速度は、よりよい長期的な神経学的転帰に関連する可能性がある。
    TTM後の発熱は有害な影響を示し、復温後少なくとも48時間以上は注意深く体温管理をすること。
    薬剤: 鎮痛剤・鎮静剤はTTMを実施する心停止後の患者に使用すべきであり、筋弛緩薬を使用することで効果的に導入が可能である。
    導入:
    蘇生後の再灌流障害を最小限にするために、できるだけ早くTTMを開始する。
    冷却維持:
    24時間と48時間で良好な神経学的転帰に有意差はなく、少なくとも24時間以上実施すること。
    復温期:
    復温速度は、ゆっくり(0.15-0.25℃/h)、そして特定の自動制御デバイスを使用しコントロールされるべきである。ゆっくり、コントロールされた復温速度は、よりよい長期的な神経学的転帰に関連する可能性がある。
    TTM後の発熱は有害な影響を示し、復温後少なくとも48時間以上は注意深く体温管理をすること。
    薬剤:
    鎮痛剤・鎮静剤はTTMを実施する心停止後の患者に使用すべきであり、筋弛緩薬を使用することで効果的に導入が可能である。

  • 腹臥位におけるArcticジェルTM パッド使用例

  • 2017年に公開されたJSEPTICでのアンケート調査では、自動制御デバイスとして、国内ではArctic Sunが最も多く使われているという結果が出ていた。
  • Arctic SunTM 5000はジェルパッドの貼り方を工夫することで腹臥位でも使用可能である。

ECPRとTTMのそれぞれの現状について、限られた時間でわかりやすくご講演いただき、学びが深まった機会となりました。新型コロナウイルス感染症の影響によりご多忙を極める中、快くご講演を引き受けていただいた一二三先生、司会をお務めいただき、スムーズにご進行いただいた野々木先生に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

↓本セミナーのDVDは、下記よりお申込みください。↓

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[ 論文 ]

  • 1)Tetsuya Sakamoto; Extracorporeal cardiopulmonary resuscitation versus conventional cardiopulmonary resuscitation in adults with out-of-hospital cardiac arrest:A prospective observational study:Resuscitation vol.85,762-768(2014)
  • 2)Fabio Silvio Taccone; High Quality Targeted Temperature Management After Cardiac Arrest:Critical Care vol24, Article number:6(2020)
アイ・エム・アイ株式会社 IMI.Co.,Ltd

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