第46回日本救急医学会総会・学術集会 ランチョンセミナー「神経集中治療における多角的神経モニタリング」
- 掲載:2019年01月
- 文責:クリティカル・ケア部
日時 : | 2018年11月20日(火)12:20~13:20 |
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会場 : | 第3会場 パシフィコ横浜 会議センター5階 501 |
演者 : |
ハンス・フリーバーグ先生 Prof.Hans Friberg(MD,PhD,EDIC) スウェーデン ルンド大学 麻酔・集中治療医学 教授 Anesthesiology and Intensive Care Medicine Center for Cardiac Arrest at Lund University Lund, Sweden |
座長 : |
横田 裕行先生 日本医科大学大学院 医学研究科救急医学分野 教授 |
抄録 : |
2018年11月19日~11月21日に開催されました第46回日本救急医学会総会・学術総会(会長 帝京大学医学部 坂本 哲也先生)において、共催セミナー「神経集中治療における多角的神経モニタリング」を開催させていただきましたのでご報告致します。
▲ 演者のFriberg先生
▲ 座長の横田先生
内容は神経モニタリング全般、神経集中治療における多角的神経モニタリング、心停止後の予後予測の三側面に分かれており、第一の側面として不可逆的な脳損傷が発生する前に、早期に神経学的悪化を探知することにより、個々の患者治療をカスタマイズして適切な患者マネジメントをすることの重要性、治療に対する生理学反応をモニタリングして副作用を防ぐことの重要性などを取り上げられました。
第二の側面として非侵襲的モニタリング機器全般について紹介されました。特に脳酸素モニタにおいて心肺蘇生中に酸素飽和度が15%以上、上昇することは自己心拍再開 (ROSC)と強い正の相関関係があることを示されました。
第三の側面として、aEEGにおいて【1】バーストサプレッションパターンの脳波が現れた場合、【2】60時間以内にコンティニュアスに脳波パターンが戻らない場合そして【3】12時間以内にてんかん様波形が見られた場合はきわめて予後が不良であることを示されました。
〔60時間以内にコンティニュアスに戻らない場合 、予後は不良〕
瞳孔計に関しては、横堀先生の最新論文*1の引用よりICU入室時の最大瞳孔径は(ROSC群3.9mm, 非ROSC群5.0mm)蘇生への治療の中止を判断するうえで正確なツールになりうる旨を述べられました。
またOddo先生の多施設二重盲検試験*2よりの引用ではTTMにて治療を行った456患者にて、心停止後1日~3日の期間で1回でもNPiの数値が2以下となった場合、心停止後3カ月の予後に対し、特異度が100%(100%予後が不良)と著しく高い的中率を示したことなどから、NPiの有用性を強く述べられました。NPi、脳酸素モニタ、脳波計によるマルチモニタリングの有用性が良く示され、臨床現場での今後のさらなる活用が期待されるご講演でした。
〔NPiが2以下になった場合は100%、予後は不良〕
[ 引用 ]
*1 Shoji Yokobori et al. Q uantitative pupillometry and neuron-specific enolase independently predict return of spontaneous circulation following cardiogenic out-of-hospital cardiac arrest: a prospective pilot study
SCIENTIFIC REPORTS 20188:15964
*2 Oddo M et al. Q uantitative versus standard pupillary light reflex for early prognostication in comatose cardiac arrest patients: An international prospective multicenter double-blinded study.
Intensive Care Med, 44(12):2102-2111, 2018.
最後に、当日、たいへん円滑に進行して下さった座長の横田先生に心より感謝申し上げます。
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