特別企画

令和2年度診療報酬改定について

  • 掲載:2020年05月
  • 文責:顧客サービス推進部
令和2年度診療報酬改定について

令和2年度診療報酬改定が公開されました。昨今の医療政策の課題である「地域医療構想の実現」と「医師等の働き方改革の推進」を踏まえた内容となっています。ここではこの2つの視点からポイントをまとめてみます。

まず地域医療構想の実現に関してですが、具体的には「病床機能転換」の促進が図られています。
急性期機能の病床を減らし、回復期機能(リハビリの実施や在宅への復帰)を担う病床を増やすための手段が講じられています。

一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」に係る評価票の改定が行われました(図参照:赤字は主な改定箇所)
救急の受入れや手術を多く行う施設に手厚い改定となっています。重症患者受入の基準割合も「急性期一般入院料 1・2・3段階」を中心に高く改定されています。
ただ急性期を維持するためのハードルは高くなります。この重症患者受入の基準割合の厳格化により、さらに急性期病床の集約が進む可能性が大きくなっています。


一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」に係る評価票

診療報酬:一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」に係る評価票


重要患者受入の基準割合

診療報酬:重要患者受入の基準割合


回復期機能を担う「地域包括ケア病棟入院料・管理料」の届出施設では、同一医療機関内でのDPC病棟から地域包括ケア病棟への転棟について制限(転棟患者割合6割未満)されるようになります。これによって本来の機能として期待されるサブ・アキュート機能(在宅への移行や在宅からの一時受入等の機能)を充実させ、地域包括ケアシステムの構築を担うことが期待されています。
ここでも今後見込まれる医療需要を充足するために病床機能の明確化が目指されています。

医師等の働き方改革についての大きな改定として、救急領域で診療を行う医師の負担軽減・処遇の改善を目的に「A252 地域医療体制確保加算520点(入院初日のみ)」が新設されました。救急車両やドクターヘリの受入れ患者数が年間2,000件以上の施設で、急性期一般入院料もしくは救命救急入院料の届出施設が対象となります。
同時に当該医療機関では、病院勤務医の負担軽減及び処遇の改善への取組み(勤務状況の把握と改善のための委員会又は会議を設置する等)が義務付けられます。

医師の負担軽減に期待されているのが特定看護師の活用です。看護師の特定行為は医師の診療補助を目的に2015年10月から運用されています。保健師助産師看護師法に規定されており、看護協会が指定した研修内容を習得することで認定されます。
今回の改定では、「L010 麻酔管理料Ⅱ」の算定の要件に「麻酔中の患者の看護に係る適切な研修を修了した常勤看護師が実施しても差し支えない」という文言が追記されました。

「コメディカルへのタスクシフティング」という言葉をよく聞きますが、医師の負担を軽減するために、看護師を中心としたコメディカルに対して従来医師が行ってきた行為の一部を、医師の助言や手順書を基に移譲していくものです。
また看護師以外にも薬剤師や栄養士を含めたチーム医療の推進が見込まれています。


弊社の取扱商品に関連する診療報酬改定

  1. D検査項目「D006-21 血液粘弾性検査(一連につき)600点」が新設されました。
    血液凝固・血小板機能分析装置 Sonoclot モデル SCP1ならびSCP2が該当します。
  2. D検査項目「D222-2 経皮的血液ガス分圧測定、血液ガス連続測定 5時間を超えた場合(1日につき)」が600点から630点に改定されました。
    経皮血液ガスモニタTCM5が該当します。

いずれも医療従事者及び患者さんの負担の軽減にお役に立てるのではないかと考えております。
是非この機会にご検討をいただければと存じます。



まとめ

地域医療構想の実現
  • 重症患者の定義・受入基準の適正化
  • 地域包括ケア病棟の算定基準等改定

⇒ 急性期機能の集約、適正な病床機能転換の推進
⇒ 地域包括ケア病棟の適正利用による在宅療養促進
医師の働き方改革
  • 「地域医療体制確保加算」等の新設
  • 「特定看護師」の配置・活用、チーム医療推進

⇒ 救急・麻酔等急性期領域での勤務医の負担軽減
⇒ コメディカルへのタスクシフティング

<参考URL>

厚生労働省website[令和2年度診療報酬改定について] ※外部サイトが開きます



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